神経膠腫の中でも悪性神経膠腫は、手術、放射線治療、化学治療を行っても再発は免れることは困難で、治療が難しい脳腫瘍の代表です。特にその中でも膠芽腫(グリオブラストーマ)は最も悪性で、従来の治療ではその生存期間中央値は10−12ヶ月程度と言われています。我々はこの悪性神経膠腫に対して、ホウ素中性子捕捉療法を行っています。これは、腫瘍細胞に選択的に集まる性質を有するホウ素化合物をあらかじめ患者に投与しておき、この腫瘍細胞内のホウ素と患部に照射された中性子が核反応を起こし、非常に殺細胞効果の高く、飛呈距離の短いアルファ線が生じます。このアルファ線により腫瘍細胞のみを選択的に傷害する治療法で、正常組織内に浸潤性に発育した神経膠腫(グリオーマ)に対しては理想的な治療法と言えます。本治療法の臨床成績は、従来の治療成績に比べて優れており、現在、注目を集めています。本邦でも本治療を行っている施設は少なく、当院は先進的な役割を担っています。別の欄で膠芽腫(グリオブラストーマ)と中性子捕捉療法について述べましたので参考にしてください。また、医用原子力技術研究振興財団の下記ホームページにも詳しく記されています。