徳島大学病院 脳神経外科 TOKUSHIMA UNIVERSITY HOSPITAL

未破裂脳動脈瘤

動脈瘤

脳動脈瘤とは脳血管の一部が風船のように膨らんだものを言います。 発生の原因ははっきりと分かっていませんが、成人の2〜6%に認められると言われています。 脳MRI・MRA検査にてたまたま発見されることが多く、(脳神経を圧迫して症状がでることは 稀にありますが)破裂していない脳動脈瘤は基本的に無症状です。しかし時に破裂すること があり、致命的または重篤な症状につながるクモ膜下出血を引き起こします。 破裂率は個々の患者さんや動脈瘤(部位、大きさの違いなど)によって異なり一概には いえませんが、現在のところ日本人における破裂率は約1% /年であると考えられています。 未破裂脳動脈瘤が発見された場合は、破裂予防目的で 手術を行う場合と経過観察する場合があります。

2008年に日本脳ドック学会から発表された脳ドックのガイドライン( http://www.snh.or.jp/jsbd/gaido.html )に無症候性未破裂脳動脈瘤に対する治療について記載されています(53ページ)。

これらを基にして当院では下記のような無症候性未破裂動脈瘤に対し手術を行っています。

  1. 良好な全身状態
  2. 年齢:70歳(〜75歳)以下
  3. 動脈瘤の大きさが5mm以上、または破裂率が高い部位(後方循環、前交通動脈、 内頚動脈、後交通動脈分岐部)、不整・基部のくびれた形のもの
  4. 経過中に、形・大きさが変化した動脈瘤

手術には開頭クリッピング術(顕微鏡下で動脈瘤をクリップにて挟む)と血管内手術 (カテーテルを通してコイルを動脈瘤内に留置する)があります。手術方法は年齢、 全身状態、動脈瘤の形・大きさ・部位によって適した方法がとられます。

上記に当てはまらない動脈瘤はもとより、当てはまるものでも必ず手術が必要というわけではありません。 担当医師より十分説明させて頂き、患者さんのご希望により手術をせず経過観察をする場合もあります。 経過観察する場合は、半年〜1年ごとにMRI・MRAやCTA(造影剤を用いたCT検査)等により、 形、大きさの変化がないかチェックすることが勧められます。また高血圧、喫煙は 脳動脈瘤破裂の危険因子となるので、これらがある場合は改善が必要となります。

当院では脳動脈瘤に対して、開頭クリッピング術と血管内手術、手術以外の経過観察をバランス良く エビデンスに基づき、また患者さんの希望に添いながら行うことを心がけています。 検査にて脳動脈瘤を指摘された方や、セカンドオピニオンを希望される方は、 お気軽に脳神経外科外来を受診して頂きたいと思います。

(文責:八木 謙次)