徳島大学病院 脳神経外科 TOKUSHIMA UNIVERSITY HOSPITAL

脳梗塞予防のための血管吻合手術

1985年の国際共同研究においてバイパス手術の有効性が否定されて以来 (Burnett shock バーネット ショック)、動脈硬化性病変(脳血管の閉塞等)のある患者さんの 脳梗塞の予防は内科的治療が主であった。しかし日本で行なわれた Japanese EC−IC bypass trial(JET)により、 高度に脳の血流が低下した人に対してバイパス手術が有効であることが証明された。 しかし脳の血流が中等度あるいは軽度低下している人に対する有効性は証明されておらず、 そのような患者さんに対しては保存的治療あるいは内科的治療を行うこととなる。

一般に行われているバイパス手術は頭皮などを栄養している 浅側頭動脈を脳表の中大脳動脈に吻合する手術である。 耳の前を指で押さえると拍動する血管が存在する。それが浅側頭動脈である。 その浅側頭動脈を剥離し、脳表の中大脳動脈に吻合する。 脳表の中大脳動脈の直径は約1.5〜2o程度で、吻合は手術用顕微鏡を用いて行う。

術後、内科的治療の必要がなくなったわけではない。術後も抗血小板剤などの内服薬は必要である。 また動脈硬化性病変を有する患者さんにとってはその基礎疾患である 高血圧や高脂血症をしっかり治療することが最も重要であると思われる。

(文責:中嶌教夫)

吻合手術の画像